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B型肝炎給付金について

かつて衛生管理が不十分な状態で国が行った集団予防接種等により、B型肝炎ウイルスへの感染被害が起きています。B型肝炎給付金は、こうした感染被害者の救済のために設けられたものです。

B型肝炎ウイルスとは

B型肝炎ウイルスは肝臓がんの原因にもなるウイルスです。
B型肝炎ウイルスは幼少期に感染すると生涯体内に感染し続けます。もしすぐに症状が出なくても、成人になった後で肝炎を発症する人も少なくありません。その後、症状が進めば慢性肝炎や肝硬変、さらには肝臓がんを発症するおそれもあります。

B型肝炎給付金制度ができるまでの経緯~集団感染問題

B型肝炎ウイルスへの感染ルートはいくつか存在しますが、そのうち今回問題になっているのが、集団予防接種などの医療行為による感染です。

これは、感染予防への意識が低かった時代に、集団予防接種などの際に注射器(注射針、注射筒)の連続使用したことによるもの。いわば人災であり、結果的に予防接種などを受けた大勢の子供がB型肝炎ウイルスに感染するという悲劇を招きました。こうした集団予防接種等による感染被害者は最大で40万人以上と言われています。

その後、平成に入ってから被害者となった方々による集団訴訟が相次ぎ、また平成23年には国も公式に責任を認めました。この時被害者側と結ばれた「基本合意」に基づいて整備されたのが、B型肝炎の感染者を対象とした給付金制度です。この制度がスタートしたことで、感染被害を受けた人は、従来よりも簡潔・迅速な手続きで救済を受けられるようになりました。

B型肝炎給付金制度の内容について

国に対して裁判を起こし、「注射器の連続使用によって持続感染した」と認められた人については、症状の程度などに応じて基本合意で定められた額の損害賠償金(給付金)が支給されます。さらに、給付金に加え、裁判を起こす時に必要となる弁護士費用等も一部支給されます。

この制度のメリットは、形式上「裁判」という形をとるものの、通常の裁判より簡素な手続きで給付金の請求ができることです。そのため、通常の裁判よりもスピーディな解決が図れます。また、請求を行う際に必要となる弁護士費用も一部補助されることから、経済的な不安がある人でも安心して手続きを行えるのもメリットといえるでしょう。

対象となる方は弁護士へ相談を

B型肝炎給付金制度による給付金の請求には令和4年1月12日までという期間制限があります。予防接種等によるB型肝炎ウイルスへの感染が疑われる方は、早めに弁護士にご相談ください。