10.私は母子感染だと病院で言われたことがありますが対象となりますか
母子感染の場合は,集団予防接種等による感染ではありませんが,集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに持続感染した女性(母親が一次感染者になります)が出産する際,母子感染が起こる可能性があります。この場合,その母子感染によりB型肝炎ウイルスに持続感染した方についても,救済の対象になります。以下,その条件について説明します。
まず,母親が予防接種等により感染した一次感染者であることが認められることが必要です(①B型肝炎ウイルスに持続感染されている方②満7歳になるまでに集団予防接種を受けた方③昭和23年7月1日から昭和63年1月27日の間に集団予防接種を受けた方④集団予防接種以外の感染原因(母子感染・輸血等)がない方のコラムをご参照ください)。
次に,本人が持続感染していることが必要です(①B型肝炎ウイルスに持続感染されている方のコラムをご参照ください)。
最後に,一時感染者である母親からの母子感染であることが必要となります。
母子感染であることは医学的知見を踏まえて認定されることが必要ですが,認定されるためには,以下の方法によることになります。
- ①出生直後に既にB型肝炎ウイルスに持続感染していたことを示す資料を提出する方法
- ②母親と本人のB型肝炎ウイルスの塩基配列を比較した検査結果を提出する方法
- ③その他,母子感染とは異なる原因の存在が確認されないことを立証する方法
②の塩基配列を比較する方法は,分子系統解析という方法を用いて比較するものですが,この検査は高額ですので,検査を受けるかどうかも要検討事項になると思います。
また,③のその他の方法についても,条件が複数あり,それらをすべて満たさないといけないことになっていますが,③の方法で立証できることも当然ありますので,まずはフィル法律事務所までご相談ください。